2021年は体調を崩し、心療内科のお世話になったりしていろいろ大変でした。ブログ毎週更新は続かなかったものの、いちおう同人誌を一冊作れたし、『エロマンガベスト100』の商業化企画も進んでいるし、それなりに不調をやり過ごしたのではないかと自分では思ってます。2022年はペースを取り戻したいところ。
あと関係ないですが、2022年から「エロマンガ批評家」という怪しすぎる肩書きを名乗ることにしました。Twitterのプロフにも東大卒であることを書き加えたり。もう俺も30なんだよ。なりふり構ってらんねえんだ。
さて、恒例のベストテンです。『ゲームラボ』にも似たような記事は書きましたが、サークルとしての連名だったし、商業単行本のみという縛りもありました。今回は純粋に私・新野安の独断と偏見で、同人誌も含めて10本を選びます。例年通り順番は付けません。
昼寝『一昼夜』
発売は2020年ですが、発行は2021年なので許してちょ。
怨念すら感じさせるほどに緻密な体の作画と、思い切りよく簡略化された顔の作画。筋骨隆々の竿役と可憐なヒロイン。極端な対比が印象的な単行本。特に冒頭に収録された、魚眼レンズ&主観だけで通した一作に驚かされました。
世徒ゆうき『千歳』
あの!世徒ゆうきの!NTR!BSSですよ!
プロットには「カラミざかり」の影響が濃いですが、流石の画力、二番煎じにはなってません。 ヒロインの顔をあえて描かない構図が多く、雑に撮ったハメ撮り的なリアリティがあります(実際、ハメ撮りそのものも出てきますし)。
そうしてさんざんタメたあと、目の前で思い人のアヘ顔を見せつけられる最終話。ほんとエロかったです。
40010試作型『プロトタイプロリータ』
シチュエーション面で言えば今年もっともトガった一作だと思います。
自分はセックスを盗み見ているのか?セックスを見せつけられているのか?あるいは、彼女が盗み見るように仕向けたのか?盗み見ている様を盗み見られているのか?
見る-見られるが無限に階層化する目眩のようなエロさ。その果てに触れえない存在として浮かび上がる少女が、実にLO的と言えるかもしれません。
西安『どこかの部屋で』
まぐろ帝國『あなたの奥さん浮気してますよ』
あえて2作まとめて。『千歳』も合わせてですが、今年はベテラン作家さんの凄さを改めて実感した年でした。
話的には特別なところはないんですよ。息子を交換するスワッピングプレイとか、温泉宿でのNTRとか。でも、描く技術があまりにも卓越していて、達人だけが入れる領域みたいなのを感じます。枯れてるわけじゃないんです。技術に裏付けられた前衛というか。
具体的にはコマ割りが非常に大胆。例えば『どこかの部屋で』であれば、ついに実の母親にセックスしようと申し出る、その瞬間に1ページまるまる使っています。『あなたの奥さん浮気してますよ』では、人妻がちんぽに囲まれ放心する様子に見開きを当てています。具体的な快感ではなく、その「予感」に大ゴマを当てているわけです。実に贅沢だと思います。
サガッとる『夏艶母姿』
これもエロかった!
NTRものなんですが、NTR好きがこだわりがちな「過程」をバッサリカットし、堕ちに堕ち切った人妻たちの痴態だけをこってりと楽しめます。コロンブスの卵。
RAITAばりの爆乳スレンダーヒロインたちの、あまりにも見事な堕ち方を見ていると、尊敬や憧れの念も湧いてきます。特に表題作に登場する智有希さん。間男とズルズルとセックスしまくった後、息子に親子愛爆発で寝取り返してもらえて、最高じゃないでしょうか。
皐月芋網『ツマフェス』
種無しの夫が兄弟に妻を抱かせ、子作りしてもらう寝取らせもの。なんですが、背徳感はあくまでスパイス。最初恐る恐るだったヒロインが、だんだんノっていく様が楽しくエロいです。夫への愛も変わりません。
徹底してヒロイン視点だし、竿役もイケメンやショタだし、とにかく明るくカラッとしてるので、普段エロマンガを読まない女性にもおすすめできるのではないかと(勝手に)思いました。
FAKE庵『バトルティーチャー龍子 5』
ここから同人誌。
FAKE庵さんの作品は、「戦闘力も精神力もめちゃくちゃ強いヒロインが、目的のためにぶつくさ文句を言いながらセクハラされる(けど、堕ちない)」のが持ち味。
しかし、本作は違います。催眠によってヒロインの龍子が完璧に性奴隷化されます。それどころか、竿役は家に上がり込み、ソープで働くよう強制し、カードを使い込んでしまいます。人生を完全に奪われてなお、ヒロインは快楽に溺れ、ついには心まで堕ちる。普段負けない強いヒロインだからこそ、破滅がショッキングでエロい一作です。
こむそう(人力社)『染井ユキまとめ集』
パトロンサイトの内容をまとめたCG集なのでエロマンガと言えるか微妙ですが、むちゃくちゃ刺さってしまったので紹介させて!
最近僕のなかで盛り上がってる性癖が二つあります。一つは濃いリップが塗られた厚ぼったい唇。もう一つは、年齢をイジられる(ないし年齢を自己卑下する)熟女。本作はこの二つのフェチがフルパワー全開です。
特に、白黒の中で唇だけカラーにする手法がよかった。日本のマンガ絵って基本、口を線で描くので、唇がエロい作品は貴重なんですよね……。
ディープバレー(グレートキャニオン)『淫行教師の催眠セイ活指導録 総集編 一学期』
2018年から刊行されているシリーズの総集編。不勉強ながら初読みでしたが素晴らしかった。
女子学生催眠NTRもの。間男(主人公)に中出しされた精子が、ヒロインと彼氏がキスしているまさにその時に受精したり。女子陸上のエースを妊娠させ試合に出られなくしたり。「少女たちの青春を踏み躙る」征服感をこれでもかと強調しています。
おまけページでは、各ヒロインたちの「市場価値」を示すオナペットランキングも書かれてます。ランクが低い子は本編でも扱いが悪くて……いやーもう書いてて嫌んなるよ!ほんとに悪趣味!最悪だよ!!(興奮)
今年はむちゃくちゃ豊作だったと思います。これ以外にも紹介したい作品がいろいろあります。明らかに良さそうだけどまだ読めてない作品もありますし。来年も面白いエロマンガがたくさん読めるといいな。
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